一気通貫のサポートが強み!地域の一員として未来をつくる「自治体向け環境価値創出プロジェクト」への思い

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、各自治体でも脱炭素化への取組みが多く見られるようになりました。自律分散型の社会構築に向けた「地域経済循環」のため、地域自然資源を活かした環境価値創出への取り組みも活発化しています。
今回は、当社で自治体の脱炭素化や再エネ推進をはじめとした事業開発を担当する社員にインタビューを行いました。

三ッ輪ホールディングス株式会社 経営戦略本部 マネージャーY.N.

大手百貨店での食料品・物産展バイヤー、農業法人の事業開発担当を経て、2019年に三ッ輪ホールディングス株式会社に入社。現在所属している経営戦略本部では、地方におけるエネルギー事業開発を担当している。2023年3月より岡山県西粟倉村と共に設立した西粟倉百年の森林でんき株式会社の取締役に就任。三重県尾鷲市・鹿児島県大崎町など自治体と共に森林、農業クレジットの創出事業も手がける。

地域経済を支える新たな取り組みを模索して辿り着いた「環境価値創出」の可能性

ーーグループ会社の三ッ輪ビジネスソリューションズ所属時に一度お話をお伺いしていますが、現在は経営戦略本部に所属されているのですね。どんなことをしている部署ですか。

経営戦略本部の中には、事業企画・事業開発・マーケティング・テクノロジー部門などさまざまな機能が集約されています。私は事業開発部門で、自治体と一緒に取り組む地域の脱炭素化や再エネ促進事業などを地域での事業展開をメインで担当しています。

ーー担当プロジェクトの概要を教えてください。

どこの地域にもある自然資源(森林や畑、田んぼなど)を生かして、環境価値に資するクレジットを創出に取り組んでいます。既にある資源を活用することで雇用の増加や地域経済の活性化に貢献することを目指し、自治体の皆さんと一緒に持続可能な地域のあり方を模索しています。

ーー本プロジェクトに着手することになった背景や経緯を教えてください。

これまで三ッ輪ホールディングスグループ各社では、「地域をゆたかに」という理念のもと、地域の脱炭素化や再エネ活用に向けた協働を通じていくつかの自治体と関係性を深めてきました。

地方自治体が抱える課題は多岐に渡りますが、共通した課題は「地域内で新たにお金を生み出すための持続的な仕組みの構築」です。その解決策を考える中で、国際的なカーボンニュートラル推進の動きに合わせて市場拡大が見込まれている「環境価値取引市場」に着目するようになりました。

環境価値といえば国が運営するJークレジットが有名ですが、2023年10月からは東京証券取引所で市場が開設されるなど取引が徐々に増えています。環境価値創出のために新たな事業開発や大きな設備投資をせずとも、既に地域が保有する森林や農地などの自然資源を有効活用し、価値を生み出していくことができるビジネスモデルは、自然豊かな地方にこそ優位性があると考えました。

こうして、「当社のミッション(地域をゆたかに)」、「80年以上にわたり地域にエネルギーを供給してきた知見とノウハウ」、「事業活動の中で構築してきた地方自治体との関係性」という3つの要素が重なり合い、地域経済を支える新たな取り組みとしてプロジェクトをスタートすることになりました。

ーー環境価値創出サービスの工程や当社の役割や強みについて教えてください。

環境価値創出の中でも国が認証し運営している「J-クレジット」を例に挙げると、下記のように大きく6つの工程があります。

①温室効果ガス排出削減・吸収事業の選定
②計画書の作成
③プロジェクト登録
④モニタリング実施
⑤報告書作成・クレジット認証
⑥クレジット発行・クレジット活用

全ての工程において自治体の皆さんと一緒に手を動かしながら、J-クレジットが定めるプロジェクト要件に沿った計画書やモニタリング活動・報告書作成のレクチャー・各種サポートを行っています。
そもそも「自分たちの地域でもJクレジットなどを活用した環境価値創出が可能なのかどうか」が分からない、という自治体もあります。そのような初期の検討フェーズにおいても、地域資源に関する基本情報をもとにクレジット量を試算し、地域にメリットが生まれるかどうかなどのご相談もお受けしています。

環境価値創出事業は黎明期。ベンチャー精神を共有できるかがプロジェクト前進のカギ。

ーープロジェクトの遂行にあたり障壁はありましたか??

環境価値創出に関する制度や市場自体が黎明期のため、まだまだ確立された成功事例やノウハウが少ない領域です。時には、成功要因が不透明であることからプロジェクト遂行に消極的になってしまうケースもあります。
こうした状況を回避するためには、前例がないことに積極的に取り組む姿勢に価値を見出すマインドセットが重要です。トライアンドエラーを繰り返しながら情報と経験値をお互いにアップデートしていくことで、プロジェクトの推進力となる相互への信頼や自信に繋がります。
実際に、こうしたマインドセットを共有できている自治体担当者は非常に協力的で、プロジェクトもスムーズに進むことが多いです。

ーー本プロジェクトを通して、どんな気付きや学びがありましたか?

ただ単にプロジェクトの実務サポートをするだけではなく、メンバーや担当者のモチベーションを維持していく「ヒューマンマネジメント」の重要性を実感しています。
前述の通り、前例がないことが多いため、想定していたクレジット創出量に至らない…などのネガティブな事象も時には発生します。どんな時でも信頼関係を大切に、前向きにプロジェクトに取り組めるようなムードメイクを心がけています。

一気通貫したサポートで本質的な地域経済循環の成功モデルを確立したい

ーー−どんな人がこのようなプロジェクトに向いているのでしょうか?

前向きで物事の良いところを見つけるのが得意な人や、人とのコミュニケーションをとることが好きな人は向いていると思います。実際に一緒にプロジェクトに取り組む自治体の皆さんとは長期でのお付き合いをさせていただくことがほとんどなので、社内のメンバーより接点が多くなることも珍しくありません。地域や人、その土地ならではの美味しい食べ物との出会いがこの仕事の楽しみの一つでもあります。

ーー本プロジェクトの目指す姿を教えてください。

現在はクレジットの「創出」にフォーカスしていますが、創出したクレジットの活用によって本質的な経済価値を生み出すためには、どのように「販売」していくかという視点が欠かせません。当社グループが保有する知見やアセットを最大限に活用して、「創出」から「販売」まで一貫してサポートできる体制づくりに向けてサービスを拡充し、本質的な地域経済循環を実現できる地域を増やしていきたいですね。

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いかがでしたか?当社グループ社員の雰囲気や働き方が少しでも伝わると幸いです。三ッ輪ホールディングスグループの公式blogでは様々な部署に所属するメンバーが記事を更新していますので、ご興味のある方はぜひご一読ください!

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